Masaos spice talk 谷内雅夫のspiceエッセイ

ホテルオークラ福岡のレストラン情報誌「HAKATA spice」

MASAO's talk

ホテルオークラ福岡 総料理長 谷内 雅夫によるエッセイです。毎号、食に纏わるテーマで経験談や思いをつづります。

週に2回、カメリアの朝食でお出ししている糸島野菜が到着する。その鮮度に私が最初に驚かされたのは小松菜だった。キラキラと光り輝く葉っぱ、バシッとした生命力。新鮮さ、そして何より生産者との近さが魅力で生産現場へもすぐに行ける。確かな食材に惚れ、糸島の農園を見学すれば、小さなハーブの根元に濡れた脱脂綿を丁寧に巻く姿。時計職人のような熱い眼差しを見て、これは一枚も無駄にはできないと強く感じた。東京では何でも揃うし、注文通りに入って“きてしまう”。例えば、天然のアラカブ30匹をその日に仕入れるのも簡単だが、福岡だと天候次第。それでも窓の外の荒れた海を見れば、漁の難しさも納得できる。ここでは物理的な距離以上に生産者の気持ちにも近づく。だからこそ食材すべてを料理に使ってやろうという気持ちが、新たなアイデアや発想につながる。またある日、唐津へ向かう途中、美しい菜の花が取り放題の販売所があった。菜の花の蕾は市場にあるが「花ごと」売ってはいない。食用なら花も料理に使えないかなと思ったことがある。東京では遠い存在の食材も、九州ではすぐ近くに生きている。規模こそ違うが、素材と料理人の近さでは福岡もパリ同様、都会のすぐ外にはこだわりの生産者が多く存在し、交流機会も豊富にある。食材を「身近に感じる」感覚が、料理人を磨いてくれるのだろう。あたたかな陽射しに誘われてふと外に出かければ、そこにはまだ世界のどこにもないレシピが咲いているかもしれない。

※このエッセイはレストラン情報誌「HAKATA spice」3-5月号に掲載しています。

「HAKATA spice」3-5月号はこちらからご覧いただけます。>>

オンライン予約

  • 宿泊予約
  • レストラン予約

宿泊日

宿泊数

宿泊人数 /室

部屋数

検索方法

予約日

時間帯

人数

※5名様以上のご予約はお電話にて承ります

  • 宿泊予約
  • レストラン予約

お電話でのご予約・お問い合わせ

  • 客室予約課 TEL:092-262-2100
  • レストラン予約課 (10:00〜20:00) TEL:092-262-1176
page top