Masaos spice talk 谷内雅夫のspiceエッセイ

ホテルオークラ福岡のレストラン情報誌「HAKATA spice」

MASAO's talk

ホテルオークラ福岡 総料理長 谷内 雅夫によるエッセイです。毎号、食に纏わるテーマで経験談や思いをつづります。

 昨年十月に、北海道へ幸探しの旅に出た。空港から車で約三時間。あの三國シェフの出身地である増毛町へ。漁港では甘エビの籠漁が十一月まで行われる。港から50キロ以上離れた沖合で、海中深く沈めた籠で甘エビを獲る。底引き網よりも傷つけず、新鮮な良い状態のまま獲れるという。

 続いてオホーツク海側へと足を伸ばし、枝幸町の養殖ホタテを視察。ここのホタテは海中に吊るさず海底に撒き、より天然に近い状態で育てていた。加工場には手のひらサイズを超えるホタテがコンテナにぎっしり。他の地域のものよりも水分含有量が少なく、濃厚な甘味を持つ逸品である。エイヒレも抜群に良いものがあった。唐揚げか、はたまたムニエルでビネガーの焦がしバターでチャチャっとやって…など、見ているだけでアイデアが広がっていく。

今度は大きく南へ縦断し、十勝平野の西の玄関、新得町の蝦夷鹿の解体工場へ。地元のハンターが仕留めた鹿を救急医療の現場のようなスピードで手際よく処理されていた。各作業場は作業ごとに厳密に分けられ、衛生管理も驚くほど徹底されており、確かな味の理由が随所にあった。さらに、ゆり根の生産地を訪ねると、一年ほど寝かせたものが甘みの増した隠れ名品という情報も教えていただいた。共働学舎新得農場のチーズ工房ではブラウンスイス牛の牛乳で作られたナチュラルチーズに出会い、旅の途中で真っ黒な音威子府(おといねっぷ)そばを楽しみ、白樺の根が吸った水のミネラルウォーターを発見し、まさに「幸」ぎっしりの旅。と、長々と語っても、やはり味わっていただくが早し。鮮度抜群のこの想いを本年の一皿にいかに添えられるか。一味も二味も違う「幸スタート」を切りたい。

※このエッセイはレストラン情報誌「HAKATA spice」1-2月号に掲載しています。

HAKATA spice 1-2月号はこちらからご覧いただけます。>>レストラン情報誌「HAKATA spice」1-2月号

オンライン予約

  • 宿泊予約
  • レストラン予約

宿泊日

宿泊数

宿泊人数 /室

部屋数

検索方法

page top